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家庭菜園における連作障害と連作の可否

ミニトマトなど夏野菜は家庭菜園の定番(写真はイタリアンミニトマト・シシリアンルージュ)家庭菜園を楽しんでいらっしゃる方が増えていますが、皆さんの悩みのタネは畑の確保です。市やJAが斡旋して1区画3坪~5坪の菜園を貸し出していますが首都圏では希望者が多く、3年ほどで交替させられるようです。ここでの問題は、連作問題です。どの園芸書を見ても『同じ科の作物を続けて作ってはいけない』ということが書いてあります。ところが皆さんの作りたい人気の作物は、ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマンなどナス科の夏野菜です。作り易く、おいしいので大人気です。一方で日曜農家には勉強家が多く、「連作になるので、去年トマトを作った畑に今年何を作っていいか悩む」という方が多いのです。畑が広ければ輪作といって、いくつかの区画を毎年ずらして作付けすれば良いのですが猫の額のような畑ではそれもなりません。ではどうすれば良いのでしょう。


家庭菜園では同じ作物を作り続け、連作したほうが得るものが多い

連作は作物に特有なビールスや細菌、土壌センチュウが土壌中に殖えて、数年のうちに、生育不良や病気が発生で壊滅的打撃を受けるというものです。確かにそうかもしれませんが、家庭菜園の場合は、前の耕作者が何を作っていたか分からず、知らぬうちに連作になっている可能性もあります。現在、私どもで実際に何年連作したら障害が現れるのか毎年ナス科の野菜を連作して実験しています。ところが今年で4年目になりますが、今のところ障害は出ていません。このことから連作障害の警告はプロ農家に対するもので日曜農家は気にしないでよいと考えています。プロの農家では障害の起こる確率がたとえ低くても実際に起こったら大きな損害を蒙ります。家庭菜園の場合は仮に障害が発生しても、その作物を諦めれば済むことです。 むしろ連作障害とはこんなものだということを実地に学ぶことが出来ます。しかし私どもがあえて連作をすすめるのは、あるかどうか分からない連作障害を恐れるより、農業技術習得を優先した方が長期的に収穫が多くなると考えるからです。

同じ作物を3回くらい連作しなければ、技術習得できず、まともな作物は出来ない

芸事でも同じですが、農業は技術ですから、何度か経験を積まなければうまくなりません。農業は同じ条件で年1回しか実験できませんので連作を否定したら、家庭菜園では経験が蓄積できません。毎年違う野菜を1回しか植えないのでは、何年経っても初心者状態です。少なくとも3回は連続して同じ野菜を作らなければ、まともな品質、量の作になりません。いつも出来損ないのような物ばかり作っていたら、それこそ嫌気がさして止めてしまうでしょう。


 

連作するにも連作障害を回避する対策は必要

連作しても良いとは言っても、最低の回避策はとっておかなければなりません。

 
①土壌改良 
一般に、化学肥料や農薬を多用した畑は連作障害が出易いといわれ、逆に有機肥料や堆肥中心に栽培している畑は障害が出難いとされています。家庭菜園では栽培面積が小さく、堆肥や有機肥料を使っても大した手間、出費ではありません(どの道、採算は度外視ですから)。家庭で発生する生ごみや落ち葉を集めて作る堆肥を利用すれば環境浄化にも役立ちます。園芸店で腐葉土や堆肥を購入しても構いませんが、十分な量を投入してください。お客さんの中には「腐葉土を入れて耕したから有機栽培だ」、と言われる方もいらっしゃいますが、3坪の畑に腐葉土を1袋くらいまいても効果はありません。有機栽培は素人が考えるより相当多量の堆肥が必要です。
 また最近マスコミで喧伝されている有用微生物(EM)の散布も連作障害の回避に有効だといわれています。
②接木苗、抵抗性品種の利用 
季節になるとトマトやキュウリの耐病性苗、トマト、キュウリ、ナス、カボチャ、スイカなどは接木苗が出荷されます。これは苗の価格は多少高いものの家庭菜園で活用して損のないものです。上の画像のイタリアンミニトマト「シシリアンルージュ」は多収穫で、しかも非常に強健でほとんど病気になりません。下のキュウリは「うどんこ強し」というカネコ種苗の耐病性苗です。その名の通り、薬もまかないのに全く、うどんこ病にならず、毎日新鮮なキュウリが成り続けます。苗の価格は300円位でちょっとだけ高いですが問題になりません(8月4日の様子)。キュウリの耐病性苗はウドンコ病になりにくく家庭菜園には絶対お奨め
2018年05月21日
観葉植物(インテリアグリーン)のポトス
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