植物雑記帳・目次へ

ピーマンを家庭菜園で作るなら完熟させて食べよう

完熟ピーマン

 ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜です。夏野菜の定番として家庭菜園でも簡単に栽培できるためたくさん作られています。ところがピーマンは子供の嫌いな野菜、ナンバーワンです。これは苦みと、いわゆるピーマン臭のためです。
 ところで、ピーマンは緑色をしていますが、これは完熟果ではなく未熟果の色だということをご存じでしょうか?普通、野菜は完熟させて食べるものですが、不思議なことにピーマンだけは未熟なうちに収穫して、緑色の野菜として食べられています。完熟果であれば果肉は赤く甘味がありピーマン臭もしません。しかも栄養的にも充実しています。それなのに、何故わざわざ、おいしくない未熟果を子供たちに押し付けているのでしょう。現在の緑ピーマンはアメリカから導入されたといわれますが、アメリカでの”緑色野菜の代用”という考え方まで、そのまま導入されてしまったためではないでしょうか。だとすれば数多くの緑色野菜が流通している日本では、ピーマンは完熟栽培するべき野菜です。技術的には何の改良も必要なく緑色の果実を取らず赤くなるまで畑に放っておくだけです。カラーピーマンとして売られているパプリカのように大型果実にはなりませんが、料理の際はどうせ切り刻むのですから大きい必要はありません。もちろん生産日数はかかります。「ピーマンは子供が嫌いだから作らない」というお父さんは、ぜひ発想を転換して子供たちに喜ばれる赤くて甘いピーマンを作ってください。


ピーマンの栽培は超簡単

完熟ピーマン

 トウガラシの植物はあまり虫が付きません。やってみるとすぐわかりますがトウガラシやタカノツメは殺虫剤をまかなくても無農薬栽培できます。これは辛味成分の防虫効果のためと思われます。ピーマンも緑色のうちはほとんど虫が来ません。一方、カラ-ピーマンはある程度熟してきたら虫がやってきてヘタのところに穴をあけられ落果が起こりますので、何らかの防除が必要です。緑ピーマンにする品種を完熟に至るまで防除せずに栽培できるかは実験していないのでわかりませんが、カラーピーマンよりましではないかという感じがします。
ピーマンによく来る害虫はカメムシです。雑草をはやしていると発生しやすくなります。家庭菜園の場合、薬剤を使わず補殺といって指で捕まえ、つぶし殺します。すばしこくないので捕まえることは難しくありません。要は毎日観察することです。
 家庭菜園初心者にお勧めの第二の理由は、ピーマンは、ただ植えただけで自立するので支柱さえ立てておけば、ネットに誘因したり整枝などしなくても勝手に次々と実を着けてくれることです。1株植えれば40~50個収穫できます。同じ赤い野菜であるトマトは、整枝を怠ると葉っぱがジャングルのようになり放棄してしまいますが、ピーマンはほとんど管理なしでも10月まで収穫できます。完熟果をとる場合、開花から収穫までの期間は約60日かかります(未熟な緑ピーマンの3倍)。ピーマンのような野菜は一度に穫れても困りますので、苗の植え付けを一度に行わず、2週ほど間を開け3回位に分けて植えつけると、食べるペースに合わせられます。

成熟度合いによるピーマンの栄養の比較

 ピーマンは下の栄養表を見ても分かりますが栄養豊富な健康野菜です。同じナス科のナスにはほとんど栄養価がないのと好対照です。(五訂日本食品標準栄養表より)
 注目すべきは赤ピーマン(完熟果)の栄養価です。緑ピーマン(未熟果)の数倍の栄養価があります。緑のピーマンをそのまま完熟させた場合のデータは掲載されていませんが、赤ピーマンとほぼ同等であろうと考えられます。いずれも100g中の含有量です。これを見ただけで、これまで一体何のためにピーマンを青いまま食べていたのかと不思議になりませんか?未熟な緑ピーマンを供給しても農家すら得していません。一度刷り込まれた、誤った社会通念はなかなか消えないものです。それなら家庭菜園から是正してゆこうではありませんか。ピーマンを子供の好きな野菜ナンバーワンにしましょう。


作物 カロテン(μg) ビタミンE(mg) ナイアシン(mg) ビタミンC(mg)
緑のピーマン(未熟果) 400 0.8 0.6 76
赤ピーマン(完熟果) 1100 4.3 1.2 170
ナス(参考) なし 0.31 0.50 4
2018年02月25日
観葉植物(インテリアグリーン)のポトス
現在のページを携帯やスマートフォンで見る場合、QRコードを読み込んでください。