| 植物雑記帳 |
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| 家庭菜園で石灰を撒くのは、常に正しいか? | ||
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季節が変わり、次の作物の苗を植え付ける際、園芸書にはたいてい『石灰をまき土壌pH(酸性度)を弱酸性に中和するように』と書いてあります。日本在来種の多くの植物の生育適正pHがpH5.5〜6.5の間にあり、これに合わせるためだと思われます。さて、これは処置として本当に正しいでしょうか?これについて検討してみましょう。 土壌は作物を生産すると、投入した肥料が化学肥料であれば分解して無機酸を、有機肥料や堆肥であれば、有機酸が放出されます。このため土壌はだんだん酸性化します。土壌に石灰質を多く含む地域であればこれは緩和されますが、日本の多くの地方では元々酸性土壌が多く、作物を栽培する場合は、石灰をまいて中和することが必要です。 さて、ここで問題はどの程度、酸性化しているかということです。酸性化の度合いは土質、栽培頻度により千差万別の筈です。ところが園芸書にはハンコで押したように、『うっすら霜が降りた程度にまく』とあります。いつも、これでいいのでしょうか。 当店が家庭菜園の土壌pHを数年間測定した結果から見ると、これはかなり問題です。家庭菜園と言っても、いろんな畑があります。遊休農地や住宅の庭の一部、埋め立てて出来た造成地、山を削って出来たニュータウンのの住宅の庭etc.など色々あります。園芸書の処方が正しいといえるのは、元農地として使われていた菜園の場合です。確かにそこはpH4近傍まで下がっていることがあります。しかしそれ以外の土地の土壌pHは意外にも、弱酸性から中性付近であることが多いのです。逆にアルカリ性である土壌も珍しくありません。特に新しく造成した土地に家を新築した場合、お庭のpHがアルカリ性になることは少なくありません。これは、元の土壌がアルカリ土壌というのではなく,おそらくセメントや石灰という強アルカリ建築資材の残りが工事完成後、放置散布されたためではないでしょうか。このようなところでは、植栽の前に、植付け場所に培養土を新たに投入しなければなかなか健全には育ちません。アルカリ土壌では燐酸を始めとする有用成分の多くが水に溶けない形態になるため植物が養分を吸い上げられず不毛化するためです。こんな土地に園芸書の指示を守って、毎年石灰を投入し続けたら、更に状況は悪化し、いくら努力しても、ろくな植物は育ちません。 では、どうしたらよいかというと”土壌pHを測定する”ことです。そしてpHが酸性なら石灰をまくし、アルカリ性なら客土(弱酸性の培養土を他所から持ってくる)するしかありません。園芸書が何故pHを測定もせず『石灰をまけ』というのかというと、一つには著者の多くが元々農業研究者で農地しか知らないこと、また以前はpHを測定しようにも個人ではとても測定器を買えなかったためです。でも今はpH試験紙も安価に販売されているし、pHメーターもホームセンタで売られるようになりました。「本の通りちゃんとやっているのに、どうもうまく育たない」という方は一度pHを測定してみることをお勧めします。 |
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