観葉植物の着花原理から見れば昨今の少子化問題は異常ではない?

植物は多少のストレスがあるほうがよく花をつけます。たとえば、乾燥気味であったり、肥料分が少なくなったり、鉢の中で根がぎっしりと回り、それ以上の生長が困難になったときに花芽が着き易くなります。反対に肥料分や水分が十分にある花壇などでは、却って植物体(茎や葉)ばかり大きくなって花が着きません。これは花を着ける目的が、種を残し安全に種の保存を図ることであるからです。種(タネ)はいわば固いカプセルに収められた生命情報です。固い種皮の中で乾燥や低温、高温など過酷な環境が過ぎ去るまで安全に避難しています。

下の写真は7号鉢(径21cm)に植えられた観葉植物のベンジャミンです。7号鉢(直径21cm)ですが高さは120cmにもなります。もう根が鉢の中でぎっしり詰まり生長の余地がなくなっています。こうした状態で、水枯れが起こると枯れ死してしまいます。そのため実を着け子孫を残そうとするのです。ベンジャミンはイチジクと同じ仲間で花が咲かないのに実をつけます。実の中にある花は、「大きな鉢に植え替えて」というシグナルになっています。

大きくなりすぎて鉢の中に根がぎっしり詰まった7号鉢の観葉植物のベンジャミン ベンジャミンは花が咲かずに実が着きます実は熟すと赤くなる

さて、最近若者が結婚せず、子供を作らないため、将来若い人の人口が減少することが心配されていますが、これも同じ原理で説明できるのではないでしょうか。
現代の日本は豊かで、飢えることより、肥満を心配する飽食社会です。既に人口も一億二千万人を越え、少々のことでは絶滅することはありません。奈良時代の推定総人口500万人を考えて見ましょう。技術や社会システムがかなり進んだ江戸時代になっても自給自足経済では三千万人が限度でした。現代は衣食足り快適な生活を送っているのに、何でこれ以上子孫を増やす必要があるのでしょうか。絶滅の危険を感じなければ子供を作ろうという本能が働かないのは天の摂理です。そういえば戦後、まだ日本が貧しい頃、「貧乏人の子沢山」という言葉ありました。貧乏人ほど子供をたくさん作り、更に貧しくなってゆくのです。これは何故でしょう。
たぶん子供がないほうが生活が楽になるという個人的打算より、遺伝子の絶滅を回避するために、『なるべくたくさん産んでDNAの生存確率を高めよ』という「本能」という名の遺伝子(DNA)の指令の方が強く働くためではないでしょうか。遺伝子そのものが生命体の正体であり、動植物はそれを乗せて走る乗物に過ぎないという思いに至れば、少子化を食い止めるのは容易なことではありません。むしろ人口減少でもやっていける社会システムを構築するほうが先決ではないでしょうか。神様の目からは日本人は十分に増え過ぎたのです。

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